障害年金の概要と障害等級ごとの違い

障害年金には障害基礎年金と障害厚生年金の2つがあり、それぞれ支給要件も違ってきます。また受給金額の計算方法も違っているので、障害年金の受給に際してはこれらの違いを押さえておく必要があります。さらに2つの障害年金はそれぞれ障害等級が定められており、該当する等級によっても受給金額は変わります。

ここでは障害年金の内容と障害等級ごとの違いについて詳しく解説します。

障害年金の概要

年金と聞いて多くの人が思い浮かべるのは原則65歳から受け取れる老齢基礎年金、あるいは被保険者が亡くなったときに遺族が受け取れる遺族年金ではないでしょうか。これらは公的年金ですが、他にも20歳以上の方が特定の条件を満たすと受け取れる公的年金として、障害年金があります。

障害年金は病気や怪我などで障害が残った際に、その状態に応じて支払われる公的年金の総称です。障害基礎年金と障害厚生年金の2つがあり、後者は前者の年金に上乗せする形で支払われます。具体的な受給金額は法令によって定められた該当する障害の等級によって異なります。

障害年金の障害等級について

受け取れる年金額は障害の程度によって変わりますが、この区分をしているのが障害等級です。障害等級は1級から3級までに分けられており、どの等級に該当するかは医師の診断結果と認定基準を照らし合わせて決めています。

障害等級には1級から3級までがあり、それぞれは以下のように分類されます。なお障害等級の1級と2級は障害基礎年金と障害厚生年金それぞれ共通です。障害等級3級は障害厚生年金にのみ存在するので注意が必要です。

障害等級1級は、身体の障害や長期の安静を必要とする疾病により、日常生活を送ることが困難なものが該当します。具体的には他者の介助がないと身の回りことがほとんどできない状態下にある人です。活動範囲が一般家庭であれば室内に限定されるほどの状態、病院内であればベッドの周辺に限られている程度です。

障害等級2級は、日常生活を送る上で著しい制限を受けるほどの身体の障害や長期安静が必要な疾病を抱えている人が該当します。他者の介助は必ずしも必要ないが、日常生活が極めて困難なため労働によって収入を得ることが難しい程度です。

活動範囲の目安は、一般家庭ならば家屋内まで、病院内ならば病棟内に限られるものです。障害等級3級は、労働に著しい制限を受けるか、もしくは労働に著しい制限を加える必要がある程の障害や疾病を抱えているものが対象になります。

障害等級の番号について

先に説明したように、障害基礎年金の障害等級には1級と2級が、障害厚生年金には1級から3級がありますが、これらの等級はさらに細かく細分化されており、それぞれに複数の番号があります。例えば1級には1から11までの番号があり、障害状態によってどの番号に該当するかは異なります。

1号は両眼の裸眼視力が0.04以下の状態が該当します。2号ならば両耳の聴力が100デシベル以上のものが、3号は両上肢の機能が障害で著しく制限を受けているものです。

他にも両下肢の障害や精神の障害、複数の障害が重複しているケースなどが各号に定められています。

2級も同様に番号が1から17まで定められていて、番号ごとに障害の状態が規定されています。また障害厚生年金の障害等級3級についても同様に障害手当金の分類に番号を用いています。番号は1から14号まであり、1号は矯正視力で測定したときの両眼の視力が0.1以下のものといった具合にこちらも障害や疾病の状態に応じて細かな分類がされています。

等級ごとの障害基礎年金の支給額

障害等級1級の場合は、障害基礎年金の支給額は779,300円×1.25を基準に、子供がいる場合は人数に応じて額が加算されます。第一子および第二子の場合は各224,300円が、第三子以降は各74,800円が追加で支払われます。

実際にモデルケースを見てみましょう。障害等級1級で子を3人持つ家庭の場合、先述の基準額である974,125円に、224,300円x2+74,800円が加算されるので、合計で1,497,525円の支給が年間に受けられます。

なおこのケースでは障害厚生年金は計算に入れていないので、実際の支給額はもっと高くなるのが一般的です。障害等級2級の場合は、779,300円に先と同様に子供の人数に応じた額が加算されます。子供ごとの加算額は障害等級1級と同じです。

症状が悪化した場合は等級の変更ができる

よくある障害年金についての質問に、受給者の症状が悪化したときには等級の変更ができるかというものがあります。最初に結論を述べると、可能です。障害等級の変更を認定してもらうには、額改定請求を年金事務所、もしくは年金相談センターに提出します。

提出に際しては、医師が作成した診断書も必要になるので一緒に準備をしておきます。障害基礎年金のみの受給者の場合は、市区町村役場の窓口からも提出ができます。ただし提出には条件があるので注意が必要です。1つ目の条件が、障害年金を受給する権利が生じた日から起算して1年以上が経過していることです。

2つ目の条件に、障害の程度を病院で診査した日から起算して1年以上が経過している必要があります。ただし障害の程度が増進していることが明白である場合は、これらの条件を満たさなくても請求が可能です。また65歳以上で、3級の障害厚生年金を受け取っている人は、年金額の改定請求はできません。

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障害等級3級よりも軽い状態でも一時金は受け取れる

もし障害年金等級の3級までに含まれないと判断された場合でも、まったくお金を受け取れない訳ではありません。障害年金は受けられないものの、障害手当金という一時金の受け取り資格を満たす可能性があるので、その要件を知っておくことを勧めます。

障害手当金は障害等級3級よりも軽い症状で、障害が治った際に厚生年金より支給されます。支給を受けるための要件は3つです。まず1つ目に初診時に厚生年金に加入済であること、2つ目に初診日の前々月より2/3以上、もしくは1年間の保険料の未納がないことです。

そして3つ目の要件が初診日より5年間の間に怪我や病気が完治している、もしくはこれ以上治療をしても改善の見込みがないと診断された状態であることです。受給金額は報酬比例の年金額を2倍にした金額です。報酬比例は厚生年金の加入年数や支払額によって変動するので、自分の報酬比例がいくらになるか事前に調べておきましょう。

関連サイト(白石社会保険労務士事務所)